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Apple T2 チップによる革命前夜

新しい Mac mini、MacBook Air にも Apple T2 チップが搭載された。

Apple T2 は何かというと Mac のセキュリティや各種コントローラーの機能を統合したものとのこと。
以下、コントローラーの機能。

  • システムマネジメントコントローラ
  • イメージシグナルプロセッサ
  • オーディオコントローラ
  • SSDコントローラ

など。

 

ARMv8-A アーキテクチャだということなので、多分 A10 Fusion ベースのチップであると予想される。

各種コントローラーの機能やセキュリティ用の Secure Enclave コプロセッサの使用は、Touch ID を使う際の副産物だと思っていたが、最初から A チップを Mac の基盤として動作するために考えていたのかもしれない。

 

そして、注目すべきは今回の Keynote の発表で Apple T2 チップを使用した HEVC (H.265) エンコードが従来に比べて最大 30 倍高速になったという点である。

FaceTime HD カメラ等で T2 のイメージシグナルプロセッサによる画像処理を行なっていたようだが、HEVC のエンコードも行なっているとのこと。
詳細はわからないが、10-Bit の HEVC のハードウェアエンコーディングを A10 ではできないはずなので、10-Bit はできないのか、T2 では可能なのか不明。

 

ただ、Intel チップでは Skylake から Intel Quick Sync Video で H.265 のデコード / エンコードでき、Kaby Lake から 10-bit も可能なはずなので、何故 T2 を宣伝材料に出したのか疑問ではある。
これを考えているだけでも面白いかと。

 

Apple 側では CPU や GPU の直接的強化はできないため、T2 などのチップで補助的な機能強化での付加価値を上げる戦略は今後も行われる気はしている。

 

公表はされていないので妄想だが、Bridge OS が T2 の OS として動き、macOS の下支えとして動いているように思われる。
その流れから、今後 T シリーズのチップが最終的に主役になる可能性もあるし、チップを複数載せるかもしれないし、
逆に Intel などの CPU や GPU を T2 の補助として動くパワフルな OS の macOS ということもあるだろう。

 

Apple A チップや T チップのような ARM アーキテクチャのチップで動く macOS という革命はすぐ側にあるのかもしれない。