Apple Engine

Apple, iPhone, iOS, その周辺のことについて

Apple Silicon とこれから

自分は何気に今後そのバージョンの Apple Silicon のラインナップはかなり増えるのではないかと思っている。

通常の A14 Bionic と iPhone 12 Pro に載せるもの、iPad Pro 用とメモリ容量、周波数、コア数で差別化する可能性があり、
現状でも細かな差はあるのだが、マーケティング用に A14 と A14X(Z) の間に新しい名前をつけそうな感はある。

とりあえず、iPad Air の A14 Bionic の A12 Bionic と比べた際に A13 から A14 への伸び率が低いため、Air より iPhone 12 Pro の GPU コアが増えたりするかもしれない。

 

GPU

自分の予想では GPU は AMD など外部の GPU を使用するケースは減り、A シリーズで使用している Apple GPU を使っていくのではないかと。

1つは、現状の モバイル向けの AMD Vega のスペックを見るに、Apple GPU もコア数を増やせばデスクトップ向けもできる可能性があるため。

もう1つは端末の表示と Metal の機能が他社の GPU より最適化できるから。

端末の表示と Metal の機能について具体的に言うと、
iPhone など Apple GPU を使用している端末は画面を一気に描画することなく、タイル状にブロック分けして部分的な描画を繰り返しているしている。
全体を1回で描画するより低コストで省電力となる。

また、Apple A シリーズは intel の内蔵 GPU と同じようにメモリーを共有しており、別で付けるディスクリートの GPU のようなビデオメモリは存在していない。

その代わりに Apple GPU では Tile Memory という高速にアクセスできるレジスタが存在しており、そこそこの処理をメインメモリにアクセスせずに終わらせる機能が A11 Bionic と Metal 2 から実装されている。

Tile Memory よって CPU の処理の待ち時間や GPU とメインメモリーの行き来を減らすことでメモリー帯域を減らし、高速なアクセスによるで電力消費低減と処理の高速化など GPU 性能を高めようとしている。

これらをわざわざ他社の GPU に合わせてちゃんとチューニングする必要はない気はする。

 

Neural Engine

現状、何ものなのか不明。

そもそもアプリ開発者側から Neural Engine へアクセスする方法がなく、iOS 14 で新しく追加された機械学習のフレームワークの MLCompute でも操作はできない。

初期の説明では Neural Engine は必要なときに処理されると言われていたが、 もしかすると OpenCL のようにほぼ OS 上でしか使われていないのかもしれない。

ただ、A14 Bionic でも強化されたということは iOS や macOS で使用する何らかの意味を持っているのだろうと予想される。

 

macOS の Apple Silicon について

Apple A12Z の入った開発者移行キットである Developer Transition Kit のネイティブアプリでベンチを測ると MacBook Pro 16inch の Core i9 を上回るという話なので、ラップトップとエントリーモデルのデスクトップ Mac ではその力で十分だろう。

ただ、上位モデルでは力が足りないため、馬力のある A14 をつくるか、複数のせ、もしくは複数重ねたり、基板を間に 2 つ A14 で挟むかもしれない。

いずれにせよ、A14 を大きくするか、複数を互いに高速で通信し合うか、なんらかの対処するのだろう。

個人的に Apple Silicon を含む主要部品をモジュール式にして、Mac mini、iMac、iMac Pro、Mac Pro へ抜き差しできたら面白いとは思う。

(もしくは、iPhone / iPad 差し込むと Mac になる PowerBook Duo 的なものとか)

 

その他

今後、Apple Silicon による Mac と iOS の融合があるとしたら、Mac のメニューバーは無くなるのではないかと思ったりはしている。

TouchBar がほぼメニューバーの機能を持っているので、TouchBar 付きの Magic Keyboard が出たらその予兆かもしれない。

例えば、外やリビングで iPhone / iPad を使用し、自室では Mac など操作の切り替えがあるのであれば、できるだけ OS 間の操作の違いが少なくなった方が扱いやすくなると思われる。

 

今後

Apple Silicon によって Apple は心臓部となる部分を自社製で掌握することになるわけだが、CPU や GPU の事業の本丸はサーバー向けであり、最終的にはそこに行き着くのではと予想する。

Mac Pro のラック型が出ているので、
Apple Silicon を使用した Mac Pro のサーバーというか、Xserve をまた復活させたら面白いとは思う。