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AR 体験とは何か

AR とは何かとはよく説明されるけど、その体験とは何かと説明されることは少ない気がした気がするので考えてみる。

VR は仮想空間に入り込むものだが、AR は現実に仮想的なオブジェクトを合成する。
要するに AR はリアルタイムで現実に 2DCG や 3DCG を合成するところである。

体験を行う AR のアプリケーションは大きく分けると2つで、作業を行うまたは補佐するツール型のものと、ゲームやコンテンツを体験する没入型ものがある。

また、AR は現実のものと仮想的なものを合成するため、VR と異なり以下の制約がある。

  • 現実から逃れる事ができない
  • 時間を超越する事ができない
  • 距離の制約から逃れられない
  • 空間の制約から逃れられない

 

制約があるのだが仮想的なオブジェクトに関してはその制約を取り除くとこができ、
過去の建造物を表示したり、展示物などで恐竜を表示したりコンテンツに合わせて制約を一部取り除く事ができる。
主に没入型のアプリで使用しているように思われる。

 

では、AR 体験とは何か。

定義するには難しいのだが、現実空間の距離や空間をもとに情報を整理する事だろう。
場所の情報を再構築する事であり、場所へ情報の付加をする。
空間の情報を見るための新しい目や視覚こそが AR 体験の入り口となる。

 

AR ゲームのでユーザー体験の難しさがある。

ビデオゲームはそこそこ長い歴史があるが、ゲームでのユーザー体験で不変のものがいくつかあり、そのひとつはコントローラーである。

Kinect などジェスチャーなど、いろいろなコントローラーに代わるものが出たが、結果的にゲームパッドに落ち着いている。

AR は現在空間を使用したり、現状デバイスの問題で、ジェスチャーや体をコントローラーとして使用する事が多く、長時間体験を続ける事が難しいと予想される。

また、没入するため大きな空間で動画など閲覧するのであれば、それは現実空間に物理的に大きなスクリーンがあったほうが良いし、スクリーンが仮想的なものとなるのであれば、いっそのこと全体を仮想空間にする VR の方が良いかもしれない。

 

映像演出としての AR 体験ではどうだろうか。

個人的に PV や実験として AR を使用して現実にエフェクトかける事をしているものがあるが、あれは映像として意味があり、普段使用するものとして現実をぬりかえるものは、多くの場合で邪魔でしかない。

 

結局のところ、AR とは現実空間に新しい認識を与える事で、人が認識できない新しい感覚機能を拡張する事なのだろうと思う。

例えば、LiDAR などを使用した空間認識が進化すれば、目の不自由な方にとって新しい感覚器になるかもしれない。

それを伝えるのは文字か映像、アバターかいくつか方法はあると思うが、AR 体験は VR の体験同様に、我々の生活を豊かにするものだと信じている。