Apple は本当に AR グラスの開発を取り止めるのか
現状、詳細は全くわからないが、台湾メディア DigiTimes がサプライチェーン関連企業から入手した情報によれば、Apple は研究・開発の体制を調整し、AR / VR ヘッドセットの開発チームが解散したと報じられた。
本当に AR グラスの開発を取り止めなのかは謎である。
開発を指揮していたと言われている Avi Bar-Zeev 氏が 1 月に Apple 退職し、チームを 5 月に解体、再編し開発を停止したのであれば、多分サプライチェーンへのプロトタイプの制作もっと早く停止し、もっと早く情報が流れそうではある。
詳細はわからないが適当に考えてみる
Apple 自体、キラーハードがわりと出ていないため、AR グラスを出す可能性はある。
iPhone、iPad などのスマートフォンやタブレットを消費者が短いスパンで買い続けるのは難しいため新たなハードが必要になるのではと。
現状、ARKit での機能追加が今年もされており、Apple では AR 系の求人もまだされているため Apple 的には AR を推しているし、
Apple Maps のストリートビュー的な Look Around なんて AR グラスに最適な気はする。
また、iOS 13 Beta のプライベートフレームワークで AR グラスに関する API があるらしい。
What kind of evidence? ARDisplayDevice.framework; ARDisplayDeviceRemoteExtensionContext, stereo AR in GameController framework. Does seems to back up the 'iPhone accessory' claims from Bloomberg a while back if AR apps are an Extension point like WatchKit was pic.twitter.com/dclIBpll0z
— Steve Troughton-Smith (@stroughtonsmith) 2019年7月11日
ARDisplayDevice framework というプライベートフレームワークと GameController framework で一部追加されているらしい。
(ちなみに GameController framework で iOS 13 Beta 2 にはあった GCRay が Beta 3 で消えた)
もしかしたら、開発している企業が中国から他国に移った可能性も考えられなくもない。
まぁ、可能性は低そうだが。
出ない可能性
単純に技術的にむずかしいのではないかと思わなくもなし、HoloLens 2 ですらあの大きさなので、実用に耐えるメガネの大きさにならないだろう。
現状、ARKit 2 では各種センサーと単眼カメラを使用して実現している。
AR グラスで実現するとなると iPhone を母艦にする、または単体で動く状態で、音とマイクは他のデバイスからとると想定しても、カメラと各センサー、表示を映しだすプロジェクター、バッテリーは少なくとも必要になる。
それを鑑みると眼鏡にこれらの内臓とするとなるとスペース的に厳しい感じはする。
SnapChat の Snap 社はカメラ付きメガネ Spectacles を出しており、現状最もデザインの良い眼鏡型デバイスである。
HD のビデオで 10 から 30 秒のビデオや写真をとることができ、一回の充電で 70 ビデオ録画でき、蝶番付近(ツルのねもと)に基盤とバッテリー、カメラ、撮影時に発光する LED などが入っている。
そのため、そこにプロジェクターとセンサーを付けるには場所が足りない感はある。
また、Spectacles のバッテリーが 3.8V / 96 mAh である。
多分、AR グラスの両レンズにものを表示したり、カメラを常に使用しようとすると Apple Watch 4 - 40 mm の 3.81 V / 291.8 mAh でも到底足りない気はする。
そうなると Google Glass のようにモダン(先セル)部分の左右にバッテリーを追加するか、メガネからケーブルをペンダントみたいにバッテリーを垂らす必要があるだろう。
また、価格的に HoloLens 並みにかなり高くなりそうな感はある。
まとめ
個人的には製品として何らかのものが出て欲しいが、なんだかんだ言って現状の技術的に難しいのではないかと思わないでもない。
ただ、このまま何らかのハードを出さないと長期的に見て Apple Music、Apple TV+ や Apple Arcade などサービスでの儲けが必要となるだろう。
いや、まぁ、サービスで儲けることができればそれで良いのかもしれないが。