Stadia とアプリケーションの未来
2019年後半に Google が正式スタートさせるクラウドゲームサービスで、
HDR 4K 解像度、60fps で Google のデータセンターを介してプレイヤーにゲームを配信する。
(今のところ日本でのサービスインの予定はない)
Google は体験を向上させるための Wi-Fi を搭載した独自コントローラーも開発しているとの事。
コントローラーの入力を受け付ける YouTube の様なものなので、ネット接続と Google Chrome のみでプレイが可能である。
データセンター側でゲームのアプリケーションが実行され、
コントローラーの入力で映像が配信されるため高速なネットワークがあれば、
ゲーミング PC や PlayStation 4 Pro、Xbox One X など高機能なハードがなくても美麗なグラフィックのゲーム体験できる様になる。
GPU が 10.7TFLOPS との事なので、わりと強力なものとなるだろう。
データセンターの OS は Debian Linux でグラフィックライブラリは Vulkan。
ハードは CPU が x86 系、GPU が AMD のカスタム GPU との事だか、現行の Vega なのか、Navi なのか、何が採用されるか不明。
Stadia 開発者向けサイト
Apple のハードウエアで使用できるのか?
仕様上、デスクトップの Chrome ブラウザとの事なので macOS 上では動作すると思われるが、
iOS の Chrome は Apple が設けている制限でブラウザを WebKit を動かす必要があるため動作しない可能性が高い。
Stadia の課題
初期のレビュアーからはゲームプレイでラグが少なく高評価だったらしいが、
Wi-Fi の速度によっては圧縮のかかった解像度となったり、Wi-Fi 接続では時折停止したり、有線接続でも 4K で表示に問題が出たりしている。
5G などの通信環境の拡充や 8K などの高解像度の対応など色々あるが、数年以内に改善されそうではある。
また、スマートフォンで使用できたとしても性能の低い端末で動作させるのは限界があると思われるので、それなりのスペックのものが必要になりそうではある。
アプリケーションの未来
Stadia は Google においてのテストケースであり、多分ここから進むべきは非ゲームアプリを Stadia の環境で動かすことだろう。
GMail や Google Docs 系、Google Maps は高フレームレートである必要がないためゲームよりも簡単だと予想される。
また、サーバー上でアプリが動き横断的にアカウントを使用できると予想されるため、他社のサービスごとに分かれている ID とパスワードを入力する必要がなくなるかもしれない。
もし、Stadia の環境構築が成功し、データ通信の効率化がされるなら、
ほぼ全てのアプリはクラウドで実行されることになるだろう。
少なくとも、何かしらのネットワーク接続が必要である Web アプリは将来この形にはなりそうではある。
自分はネイティブアプリ至上主義なので、こういう形はあまり望ましいとは思わないのだが、
常時高速ネットワークが接続されている未来ではこれが正しい世界かもしれない。