Apple Engine

Apple, iPhone, iOS, その周辺のことについて

来るべき iOS 10.1 と Suica

iOS 10.1 Beta3 がリリースされたが、 10.1 で SDK 的に強化された機能があまりないので、もうそろそろリリースされそうではある

以下 iOS 10.1 Beta3 で Suica がらみの機能。

  • PKPaymentNetwork.suica
  • PKSuicaPassProperties
  • PKSuicaPassProperties.init(for: PKPass)
  • PKSuicaPassProperties.isBlacklisted
  • PKSuicaPassProperties.isGreenCarTicketUsed
  • PKSuicaPassProperties.isInShinkansenStation
  • PKSuicaPassProperties.isInStation
  • PKSuicaPassProperties.transitBalance
  • PKSuicaPassProperties.transitBalanceCurrencyCode

ドキュメントが overview がなく、
初期化とプロパティなので用意されたほぼ値を返すだけの模様。

 

名前を見た感じの予想だと

  • ペイメントの Suica にするか
  • ブラックリストに相当するか
  • グリーン車を使用しているか
  • 新幹線の駅にいるか
  • 通常の駅にいるか
  • 通過残高
  • 通過残高の通貨コード               

といったところ。

 

参照元

developer.apple.com

iPhone と Web の行方

海外の blog で "Safari is the new IE" という記事が出たりしている。
Safari に新しい Web 技術がなかなか実装されないためだろう。
Web のフロントエンドエンジニアにとっては困った話だ。

ECMAScript 6 compatibility table によると ECMAScript 6 (2015) の iOS 10 の Safari 10 は対応率が 100% となっているが 端末のカメラ機能を使用する getUserMedia などは対応されていない。
AndroidChrome や Window 10 Mobile の Edge では使用できるのだが。

getUserMedia など、Safari の大元のオープンソースで運営されている WebKit では実装されているが動かない。

 

近年の Web の動向

Web ページは機能が肥大化していてアプリとなっているケースも多く、G Suite (旧 Google Apps) や Office 365、Web の iCloud などのオフィス系のアプリと同等の機能が備わっている。

だが、Web ページはアプリとして問題があり、ページ遷移する度にアクセスがかかるため、近頃では1つの HTML で表示を動的に変える Single Page Application (SPA) が登場した。

 

ネイティブのアプリはデータを予め端末にダウンロードするため、画像や動画、音楽などのアプリで使うリソースが端末に保存されているが、
Web の場合、キャッシュがあるものの、基本はその都度ダウンロードする必要性がある。

アプリとなるとオフラインでの実行やプッシュ通信も必要だろうし、
スマートフォンなどで他のアプリを立ち上げた時にブラウザがバックグラウンドへ移行しても何か処理したい場合もある。

 

そこで Google が Service Woker というものと付随するものを開発し、リソースのキャッシュと更新や削除、プッシュ通信、バックグラウンドでの動作を可能にした。

これらの機能と通信やその他を機能を使用しできた Web アプリを Progressive Web Apps と言われ、Chrome で実装しており、Firefox や Edge でも実装中であったり開発中であったりする。

 

Safari での Progressive Web Apps はどうなっているのか

Safari Technology Preview Release 13 で XMLHttpRequest の強化版 Fetch API が導入されたぐらい。

 

Safari の今後

どうかはわからないが、たぶん Apple が守りたいものは2点。

ユーザー体験とバッテリー消費。

Web アプリでも肥大化するとバッテリーの多量消費はするし、Background Sync が使えるとなると尚更。

その為、Web のモダンな機能の採用は当分先となりそうではある。

   

Web は今後も進化し続けるし、 アプリとしても実用レベルになってきている。

だが、バッテリーの革新的進化が当分先であるが故に、まだまだネイティブアプリがスマートフォンの中心であり続けるとは思われる。

しかし、いつか状況は変わるかもしれない。

iOS 10、tvOS 10 で機械学習

Siri の音声認識が2014年7月からニューラルネットワーク・システムに移行しており、 命令認識能力が飛躍的に向上しているというインタビューや、
iOS 10 では Siri が自ら学習する機械学習によって自然な発話が可能という記事があった。

Apple Pencil のパーム・リジェクションや macOS Sierra の写真の整理・分類する機能も機械学習が使われているといわれている。

 

OS の機能だけではなく、アプリ開発者でも一部使用することができるらしく、 iOS 9、tvOS 9 の Metal で導入された Metal Performance Shaders はCPU、GPU を効率よく使用し計算するフレームワークがそれだ、

Apple のサンプルファイルでは TensorFlow で学習したデータを使い画像から映っているものが何か識別を行う模様。

f:id:x67x6fx74x6f:20161011182559p:plain

学習データはあるものの Convolutional Neural Network を使用しているため iOS 側でも計算している。
今後、Metal をメインに使用した機械学習、深層学習とかもあり得るかもしれない。

ちなみに、Metal Performance Shaders は iOS_GPUFamily2_v2 以降と tvOS_GPUFamily1_v2 という動作環境。
Apple A8 以降のチップが必要なので注意。

 

また、サンプルでは静止画で行っているが、@shu22 氏によるとカメラを使用しリアルタイムで実行している。

https://qiita-image-store.s3.amazonaws.com/0/3180/0c788c23-4559-f966-281b-aa7f75442962.gif

https://github.com/shu223/iOS-10-Sampler/ から参照

 

参照元

developer.apple.com

github.com

AirPods はウェアラブルデバイスとなる可能性

AirPods はワイヤレスオーディオデバイスというよりは、Moto Hint のように Siri を基盤としたウェアラブルバイスだと感じていて、
個人的な考えだが Apple としてはガジェットというよりは、生活に寄り添うパーツとしてプロダクトを世に送り出しているような気がしている。

そう考えると Google Glass や VR/MR のヘッドマウントディスプレイとか、
もっとスマートな形にならないとわれわれの手元に届くことはないのではないのだろうかと。
だが、Apple W1 と言われる低消費電力の通信チップの進化とともに、
新しいウェアラブルバイスや Home Kit で使用できるホームオートメーションデバイスがいつかは出るだろう。

多分、Apple W1 は他にもワイアレスデバイスを作成する用途で作られていると思われるので。

 

iOS 10 で一部の機能だが開発者に Siri の機能が使えるようになった。
今後、音声でアプリやシステムのコントロールが幅が広がることを期待したい。

Apple A10 Fusion とその先

Engadget 曰く、iPhone 7/7 Plus は大半の MacBook Air を上回る

japanese.engadget.com

 

現在のベンチマーク掲載元ではいかのような数値。
近年のコンピューターやスマートホンなどは脳みそが複数あり、 シングルスレッドが1つだけ動かした状態、マルチスレッドは複数動かした状態である

端末 SoC シングルスレッド マルチスレッド
iPhone 7 Plus Apple A10 Fusion @ 2.3 GHz 3311 5351
iPhone 7 Apple A10 Fusion @ 2.3 GHz 3301 5336
iPad Pro (12.9-inch) Apple A9X @ 2.3 GHz 3014 4846
Pad Pro (9.7-inch) Apple A9X @ 2.3 GHz 2934 4728
iPhone SE Apple A9 @ 1.8 GHz 2405 4024

 

Air 上位機種と比較

記事では評価されていない Air 上位機種と比較しても、 シングルスレッドかなりいい線までいっている。

シングルスレッド
端末 SoC スコア
MacBook Air (13-inch Early 2015) Intel Core i7-5650U @ 2.2 GHz (2 cores) 3357
MacBook Air (11-inch Early 2015) Intel Core i7-5650U @ 2.2 GHz (2 cores) 3327
iPhone 7 Plus Apple A10 Fusion @ 2.3 GHz 3311
iPhone 7 Apple A10 Fusion @ 2.3 GHz 3301
MacBook Air (11-inch Mid 2013) Intel Core i7-4650U @ 1.7 GHz (2 cores) 3258
MacBook Air (13-inch Mid 2013) Intel Core i7-4650U @ 1.7 GHz (2 cores) 3208
iPad Pro (12.9-inch) Apple A9X @ 2.3 GHz 3014
Pad Pro (9.7-inch) Apple A9X @ 2.3 GHz 2934
iPhone SE Apple A9 @ 1.8 GHz 2405

 

マルチスレッド

マルチスレッドの場合は intel のチップにはまだまだ届かない模様。 シングルスレッドに関して高スコアを出すのだが、 マルチスレッドに関しては Android で使用されている Qualcomm Snapdragon や Sumsung Exynos と大差がない。

端末 SoC スコア
MacBook Air (13-inch Early 2015) Intel Core i7-5650U @ 2.2 GHz (2 cores) 6563
MacBook Air (11-inch Early 2015) Intel Core i7-5650U @ 2.2 GHz (2 cores) 6291
MacBook Air (11-inch Mid 2013) Intel Core i7-4650U @ 1.7 GHz (2 cores) 6237
MacBook Air (13-inch Mid 2013) Intel Core i7-4650U @ 1.7 GHz (2 cores) 6111
iPhone 7 Plus Apple A10 Fusion @ 2.3 GHz 5351
iPhone 7 Apple A10 Fusion @ 2.3 GHz 5336
iPad Pro (12.9-inch) Apple A9X @ 2.3 GHz 4846
Pad Pro (9.7-inch) Apple A9X @ 2.3 GHz 4728
iPhone SE Apple A9 @ 1.8 GHz 4024

ARM ライセンスの上でつくられた A10 Fusion だが、
以前に、省電力チップを開発していた P.S. Semi を買収しており、こちらの技術が使われていると思われる。

また、A10 Fusion は ARM の big.LITTLE 的な構成となっており、 処理が遅いが低消費電力の頭脳と処理が速いが高消費電力の頭脳をもっており、
アプリ等の実行状態で切り替えている。
A10 Fusion は デュアルコアの CPU だが、低機能のものと高機能のものが対になっているため、 実際は 4つの CPU をもっている。

 

試してみると A10 Fusion で高機能化した効果なのか発熱も軽減されている気がする。
iOS 10 で挿入された Deep Learning の一種である Convolutional Neural Network サンプルを試したところ、 iPad Air 2 ではそこそこ熱くなっていたが、iPhone 7 ではほんのり暖かくなるレベル。
Metal を使用していることや GPU のコア数、画面解像度などの端末差もあるが、あまり熱くならず機敏に動いていた。

 

その先

これを見ると現行の Mac のミドルレンジのラップトップに近く、 シングルスレッドなら2世代前の Mackbook Air を超えており、 スマートフォンがラップトップ並みの機能を備えたこととなる。

例えは Apple TV に A10 Fusion やそれ以降のチップが導入されれば、デスクトップの代替品になるかもしれないし、ビジネス用途で使用できる可能性がある。
とりあえず、オフィス系のアプリは充実しているので iOS 版の Xcode と Terminal とかが出れば、iOS のみで開発する人も出るかもしれない。

A10 Fusion 自体、ファンレスで動いており、もしファン回すことができれば、もっと強力なチップとして使用できる可能性もある。

個人的にはスマートフォン誕生した時と同じぐらい、 革新の時だと思っている。

iPhone、Apple Watch の Wallet (旧 Passbook) は映画館で使える

新宿ピカデリーで使用可能。 

券売機に QR コードをかざすだけで発券できます。

たぶん、松竹マルチプレックスシアターズ系だったら使えるのではないかと。

注意点としては iOSSafari からチケット購入しないと、 
その後に表示される「Passbookに登録」のボタンがでないところ。

 

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飛行機などほとんど利用しないので、この機能を使うのは今は新宿ピカデリーぐらい。


パスを消さなければ観た映画の履歴として残せるので、こういう管理のやり方も良いのかと。

 

 

 

新宿ピカデリーにて直近で観た映画

koenokatachi-movie.com

国内の iPhone のシェアと今後

残念ながら国内スマートフォン市場の出荷台数は減少傾向にあり、頭打ちであり、一般向けも ビジネス向けも、すでに渡り切ったこととなる。

IDC によると国内スマートフォン出荷台数は前年同期比 6.2%減 の 654万台となっていて、 そのままだけど前年と比べると 6.2% は新規・機種変更をしていないということとなる。

出荷台数の内訳は

  • iPhone 400万台の 12.3 %増
  • Android 252万台の 26.1%減
  • その他 2万台

正確な OS シェアはわからないのだが、kantarworldpanel.com によると iOS は 34 ~ 50% である。

また StatCounter GlobalStats のブラウザアクセスシェアによると、 年々、Android のシェアが下がっている。

日本でのスマートフォンの展開

正直今後どうなるかはわからんが、Google Pixel の国内発売がない以上、 リファレンスとなる Android 端末ないし、国内端末で Android Nougat が搭載される端末も当分先になるだろう。

今更だが iPhoneSuica が使えるようになる。
少なくとも Suica 用に Android を使用していた層は Android を使わなくなるだろう。

また、ゲームに関しては音ゲーなどまだレイテンシーがある。

たぶん Android の Daydream は他のアプリの動作を止めて動かしている可能性があるので、こちらの機能が使えれば状況は変わるかもしれない。 問題は Daydream が最近のハイエンド端末しか動かないところだろう。

 

iOS 端末優勢となるのだろうか?

iOSAndroid を凌駕しているとは言えないけど、 Suica を含めた Apple Pay での決済やスマートフォンのゲームアプリは若干のアドバンテージとなると思いたい。

きっと、iOS 10.1 で Apple Pay が動き始めるとリアルやネットの店舗で対応する必要が出てくる。
どうなるかはわからんが、対応が広まったとすると一つの流れができると思われる。

 

ぴーえす

Android Nougat にも良い機能があり、SplitView によるスマートフォンでのアプリを複数起動や、アプリをすべてはダウンロードせずに一部機能をお試しで動かすことができる Instant Apps など、iPhone にも導入してもらいたい機能はいっぱいある。

 

参照・その他

2016年第1四半期 国内携帯電話・スマートフォン市場実績値を発表 http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20160606Apr.html

iPhone 7/7 Plus」の初速は不振 家電量販店では2年連続マイナスに https://www.bcnretail.com/market/detail/20160930_11971.html