XR、XS、XS Max、買うべき iPhone はどれか?
信仰心の高い方は迷わず iPhone XS Max を購入するとは思うが、買い替えを迷っている人向けに記事を書いてみる。
WWDC 2018 で iOS を含む SDK の更新が少なく、安定性や高速化などメンテナンスという状況だったことと、9/13 の発表通り今回の商品はマイナーアップデート気味なので、待つことができるなら正直来年まで待っても良いとは思っている。
それとこの先の文章を読まなくて済む。
端末移行での注意点
だいたい同じサイズの上位端末へ乗り換える場合、どれも重くなるので注意。
端末 | 重さ |
---|---|
iPhone 7 | 138 g |
iPhone 8 | 148 g |
iPhone X | 174 g |
iPhone XS | 177 g |
iPhone 7 Plus | 188 g |
iPhone XR | 194 g |
iPhone 8 Plus | 202 g |
iPhone XS Max | 208 g |
iPhone X と XS との違い
以下のもの。
- A12 Bionic チップによる処理速度の向上
- 最大水深2メートルで最大30分間の耐水性能
- 進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
- スマート HDR
- ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps)
- ステレオ録音
- フロントカメラの映画レベルのビデオ手ぶれ補正(1080pと720p)
- 予備電力機能付きエクスプレスカード
- デュアルSIM(nano-SIMとeSIM)
- ギガビット級 LTE 通信(記事執筆時は au のみ)
基本的にはチップ、カメラ、スピーカー(マイク)通信周りの機能向上にまつわるものと、耐水性能の向上。
わりと予備電力機能付きエクスプレスカードの機能による電源が付いていなくても Suica が使える点は熱望する人がいるかもしれない。
また、iPhone X から XR に乗り換えるのはあまりお勧めできない。
画面自体は大きくなるが、解像度は低く、有機EL な OLED と比べて液晶は見劣りするし、スペック的に変わらない部分があるため。
iPhone X が XS より優っている点
連続通話時間が最大21時間と1時間長い。
iPhone XR / XS Max の UI と SpringBoard(ホーム画面)
XR / XS Max は Plus サイズの UI の設計となっており、ランドスケープ(端末を横にした状態)では、7 / 8 Plus のようにアプリによっては左側がリスト表示になる模様。
また、現品がないので予想だが、UI や Face ID の UX 上の問題でランドスケープでは 7 / 8 Plus の様にホーム画面のアイコンなどが横向き用に回転しない。
追記:予想通り iPhone X と同じようにランドスケープでホーム画面は横にならない。
iPhone 8 Plus と iPhone X のホーム画面。
iPhone XR、XR Max もランドスケープ時は iPhone X の様にな表示になると思われる。
XR, XS, X Max でのサイズや重さ以外での違い
サイズ、重さ、画面解像度以外で XS と XS Max で異なる点はバッテリーの大きさによる稼働時間。
また、XR は XS 系に対しての廉価版で、 カラーバリエーションがあり、バッテリーの持ちが良い。
だが、以下の制限がある。
- OLED によるディスプレイの綺麗さがない
- バックカメラが広角しかないためズームがデジタルズームのみ
- バックカメラのポートレートモードは3種類のみ (フロントは全てサポート)
- 耐水性能が最大水深が1メートルまで
- 3D Touch がない(が、替わりのフィードバックがありほぼ同等とのこと)
- 通信が 4G LTE-Advanced 6
以下、まとめ。
一応、ワイアレスでの動作のスペック。
iPhone XS | iPhone XS Max | iPhone XR | |
---|---|---|---|
カラーバリエージョン | シルバー スペースグレイ ゴールド |
シルバー スペースグレイ ゴールド |
ホワイト ブラック ブルー イエロー コーラル (Product)RED |
ディスプレイ | 有機EL | 有機EL | 液晶 |
HDRディスプレイ | ○ | ○ | × |
コントラスト比 | 1,000,000:1 | 1,000,000:1 | 1,400:1 |
3D Touch | ○ | ○ | × |
防沫性能 耐水性能 防塵性能 |
IP68 最大水深2メートルで最大30分間 |
IP68 最大水深2メートルで最大30分間 |
IP67 最大水深1メートルで最大30分間 |
カメラ | 広角と望遠 | 広角と望遠 | 広角 |
カメラのポートレートライティング | 自然光 スタジオ照明 輪郭強調照明 ステージ照明 ステージ照明(モノ) |
自然光 スタジオ照明 輪郭強調照明 ステージ照明 ステージ照明(モノ) |
自然光 スタジオ照明 輪郭強調照明 |
通信 | ギガビット級 LTE | ギガビット級 LTE | 4G LTE-Advanced 6 |
駆動時間 | iPhone Xより最大30分長い | iPhone Xより最大1.5時間長い | iPhone 8 Plusより最大1.5時間長い |
連続通話時間 | 最大20時間 | 最大25時間 | 最大25時間 |
インターネット利用 | 最大12時間 | 最大13時間 | 最大15時間 |
ビデオ再生 | 最大14時間 | 最大15時間 | 最大16時間 |
オーディオ再生 | 最大60時間 | 最大65時間 | 最大65時間 |
大きさ
X と XS は同様。
7、8 から XS にするとそこそこ大きくなるが、Plus から Max の場合は少し小さくなる。
端末 | 幅 | 高さ | 厚さ |
---|---|---|---|
iPhone 7 | 67.1 mm | 138.3 mm | 7.1 mm |
iPhone 8 | 67.3 mm | 138.4 mm | 7.3 mm |
iPhone 7 Plus | 77.9 mm | 158.2 mm | 7.3 mm |
iPhone 8 Plus | 78.1 mm | 158.4 mm | 7.5 mm |
iPhone X / XS | 70.9 mm | 143.6 mm | 7.7 mm |
iPhone XS Max | 77.4 mm | 157.5 mm | 7.7 mm |
画面サイズ
端末を使う分にはこの情報はあんまし必要ないと思う。
ひとまず、開発者側では、XR や XS Max 用の画像などのリソースをつくらなければいけない。
端末 | インチ | Retina | ピクセル | Retina サイズのピクセル |
---|---|---|---|---|
iPhone 7 / 8 | 4.7 | 2x | 375x667 | 750x1334 |
iPhone 7 Plus / 8 Plus | 5.5 | 3x | 414x736 | 1080x1920 |
iPhone XR | 6.1 | 2x | 414x896 | 828x1792 |
iPhone X / XS | 5.8 | 3x | 375x812 | 1125x2436 |
iPhone XS Max | 6.5 | 3x | 414x896 | 1242x2688 |
ベンチマーク
以下、Geekbench からの集計。
Apple が公開している情報から考えているが、確実にこの通りにはならないだろう。
とりあえず、記載してみた。
端末 | Single | Multi | Metal |
---|---|---|---|
A12 Bionic の予想値 | 4839 | 11633 | 22671 |
iPhone 8 A11 Bionic |
4219 | 10107 | 15114 |
iPhone 8 Plus A11 Bionic |
4218 | 10164 | 15293 |
iPhone X A11 Bionic |
4208 | 10116 | 15114 |
iPad Pro (10.5-inch) A10X Fusion |
3910 | 9315 | 29350 |
iPad Pro (12.9-inch) A10X Fusion |
3906 | 9297 | 29349 |
iPad (6th generation) A10 Fusion |
3467 | 5898 | 13040 |
iPhone 7 Plus A10 Fusion |
3437 | 5784 | 12742 |
iPhone 7 A10 Fusion |
3397 | 5718 | 12719 |
通常なら 1.4 倍ぐらい CPU が強化されるはずだが、7nm で最適化がされていない感じがある。
発熱の対策なのか、次期端末で強化されるかは不明。
発売前でアプリ開発者が知っているどうでもよい機能
XR、XS、XS Max では NFC の NDEF のリーディングがバックグラウンドで動かすことができる。
以前は専用の UI を開いてから NFC タグに近づける必要があった。
価格(税別)
1/3 以上が税別で10万超えるし、Apple Care を足すと凶悪な価格になるが、信仰心見せつけるチャンスである。(つらい)
端末
端末 | ストレージ | 価格 |
---|---|---|
iPhone 7 | 32GB | 50,800 |
128GB | 61,800 | |
iPhone 7 Plus | 32GB | 64,800 |
128GB | 75,800 | |
iPhone 8 | 64GB | 67,800 |
256GB | 84,800 | |
iPhone 8 Plus | 64GB | 78,800 |
256GB | 95,800 | |
iPhone XR | 64GB | 84,800 |
128GB | 90,800 | |
256GB | 101,800 | |
iPhone XS | 64GB | 112,800 |
256GB | 129,800 | |
512GB | 152,800 | |
iPhone XS Max | 64GB | 124,800 |
256GB | 141,800 | |
512GB | 164,800 |
ちなみに、旧端末も含め Apple Lightning - 3.5mm ヘッドフォンアダプタが付属されなくなるので、必要な場合は追加で 1,000 円かかるので注意。
Apple Care
端末 | 価格 |
---|---|
7 / 8 | 14,800円 |
7 Plus / 8 Plus / XR | 16,800円 |
XS 系 | 22,800円 |
購入プラン
ストレージをどれにするか
音楽、写真、動画を端末のストレージをほぼ使用しない。
または iCloud などのクラウドストレージに逃がす場合は 64 GB でも良いと思われる。
ただ、ゲームはアプリ容量が多いし、LINE などのストレージにデータためまくる系のアプリを使用している人は注意。
設定アプリ > 一般 > iPhoneストレージでどれだけひっ迫しているかチェックすべし。
購入の際に旧端末を売ることを考えている場合は真ん中以上の容量を買うとよいかも。
XS に関しては 64 GB から 256 GB の差が少ないし。
512 GB に関しては、アプリ以外で容量を取られるのが、
通常、写真と動画ぐらいなので、基本的には写真を撮りまくる、ないしは動画を撮る人など、大きなデータのファイルをつくる人向けだと思われる。
閲覧するファイルサイズが大きい場合なども。
XR、XS 系以外の端末の購入を検討する
処理やカメラ性能が高いものが欲しい場合は XR や XS 系を選ぶとよいが、その機能が入らなければ、正直 iPhone 7 でも問題ないとは思われる。
販売後2年は経っているのでサポート期間は短くなることは念頭に置くべし。
iPhone 5s はかなり長期的にサポートされているが 7 や 8 がどうなるかはわからないので。
また、安くはなったとはいえ、7 / 7 Plus の 128 GB や 8 / 8 Plus の 256 GB はいささか高い感はある。
中古で端末を買う
iPhone X の価格を調べてみたが、そもそも買取価格が高いためあまり安く買うことは期待できない。
ぎりぎり ARKit が動く iPhone 6s の中古を買うというのもあり。かなり安い。
ただ、上記のものよりサポート期間がさらに短くなるので注意。
Plus サイズから移る場合
サイズ的には iPhone X や XS、XR で良いと思われる。 ランドスケープ表示の際はセーフエリアがあるため厳密には同じ大きさにはならないが。
ひとまず、ランドスケープ表示で、左側にリスト等表示する UI が必要がなければ、Max を無理に買う必要はないかなと。
XR を選ぶ場合
多分、需要なのはカラーバリエーションと他より持つバッテリー持ち。
OLED の画面を諦めることと、カメラ性能を犠牲にできるかというところ。
望遠のカメラがないため、ズームがデジタル5倍ズームであり、2倍以上にするとかなり荒くなる。
また、バックカメラのポートレートモードに制限がある。
XS / XS Max を選ぶ場合
かなり高いので慎重に選んで欲しい。
冒頭にも書いたように、売りが少ないため、来年に期待するのもありだと思う。
カメラの質で XR ではダメな人や、どうしても 6.5 インチの大画面が欲しいとか、ちゃんと用途がないと結構辛い買い物になると思われる。
売りのひとつとしては、現状 au 回線の場合は通信速度が向上し、下り速度が最大758Mbps となる。 理論値なので実際はそこまで出ることはないが。
最強のゲーミングスマートフォンとして XR、XS 系を購入視野に入れる
A12 Bionic は GPU が最大 50 % 性能 UP なので、他のスマートフォンを寄せ付けないぐらいのグラフィック性能を持つ事になるだろう。
また、Nintendo Switch は 6.2 インチで 720p なので、iPhone XR は約1インチの差だし、XS Max はそれをはるかに超えている。
iPad mini の後継機としての iPhone XS Max
iPad mini の後継機が出る可能性は低いので、iPhone XS Max を代替として考えるのも手かもしれない。
iPad mini は対角 7.9 インチで、Max は 6.5 インチなので。対角だけで考えると Apple Watch Series 4 ひとつ分。
とは言え、iPhone は縦長なので幅が全然足りないが。
もし、iPhone XS Max のサイズで満足できるなら、iPad mini と iPhone を両方持たずに済むと思われる。
その利用ケースなら Max のエントリーモデル 12万越えは納得できそう。
ピクセルベースで考えても仕方ないが、一応、画面解像度的には iPhone XS Max の方が若干優っている。
iPhone XS Max と Apple Watch での運用
本体サイズが大きいため、カバンから出さずに、Apple Watch で通知などの情報閲覧や音楽やカメラ操作なども良いかと。
Series 4 で画面も大きくなったのでさらに。
買うべき iPhone まとめ
待つか、コストを抑えたい場合は XR。
お金が出せるなら、同サイズで1番近いものと、ラインナップ通りであまり悩む必要性はないかもしれない。
買わずに来年まで待つ
コスト 0 円。
来年の進化を楽しみに待つ。
中古
サポート年数を考える必要性があり選択は難しめ。
8 や X の中古は高いので XR を買った方が良い
iPhone 6s 64 GBを 3 万円代、
iPhone 7 128 GBを 5 万円代で購入して1年から2年持たせるなど
7 に関してはリニューアルした新品の価格差が少ないので悩みどころ。
iPhone X 以外からの移行でコストを抑えたい
iPhone XR 一択。
64GB 税別 84,800円也。
画面が解像度や有機 EL ではないのと背面のカメラで広角がない点を納得できれば。
カメラに関してはポートレートの一部機能と望遠がないためズームに制限がある。
正直、フロントのポートレートはフルで使えるし、XS や Max の iSight Duo のズームも10倍までとは書いてあるが、
画質が悪くなるためズームできる限界はある。
iPhone X からの移行
解像度とコントラスト比が減るので iPhone XR はないと思って良い。
XR の場合は現品を見てから考えても良いかと。
基本的には iPhone XS か XS Max。
64 GB 税別 112,800 円 or 124,800 円。
Max は 30g ぐらい重さが増え、 画面が大きくなるため大体の人は片手だけの操作は不可能になる点を注意。
iPhone 6 / 6s / 7 / 8 / SE と以前の 4 インチ端末からの移行でよいもの
iPhone XS を選択することになる。
64 GB 税別 112,800 円。
XR もそれなりに大きく重く、
XS Max は 4 インチからだと相当重くなるので注意。
SE から XS Max だと倍ぐらい重くなる。
iPhone 7 Plus / 8 Plus
iPhone XR は上記のコストを抑えたい場合を参照。
Plus サイズから iPhone XS に移行した場合、インチ的には大きくなるが、
物理的に小さく感じる可能性があるので注意。
64 GB 税別 112,800 円。
お金に余裕があれば iPhone XS Max がベター。
64 GB 税別 124,800 円。
以上、多分 iPhone X の様に1〜2週間で在庫は戻ると思われるのでじっくり考えても良いかも。
追記
今回は XS、XS Max に重点をおいているので、
XR については別記を事参照