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RICOH THETA Z1 が発表された

SceneKit、3DCG などの背景画像や Image Based Lighting (IBL) で RICOH THETA V を使用していたが、
新機種である RICOH THETA Z1 が出るため調べてみた。

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THETA Z1

ワンショットで360°の全天球イメージを撮影できるカメラ 「RICOH THETA Z1」を新発売|RICOH IMAGING

 

RICOH THETA とは?

魚眼レンズが前面と背面に付いており、ボタン一発で360度写真を撮ることができるカメラ。

のちの製品アップデートで動画や USB で PC / Mac につなげることで360度映像のライブストリーミングが可能になった

 

以前との違い

  • 1.0 型裏面照射型 CMOS イメージセンサー
  • ISO 6400 までの高感度撮影
  • レンズ変更
  • F2.1、F3.5、F5.6 の3段階からF値を選択可能
  • 新しい画像処理アルゴリズムによる低ノイズで解像感の高い画像
  • 星の光跡の記録などに使える「インターバル合成機能」
  • JPEG + RAW(DNG)での保存
  • 動画撮影時の高い手ぶれ補正機能の追加
  • カメラの撮影情報を確認できる OLED でディスプレイ
  • ファンクションキー(スマートフォンアプリからの設定変更可能)
  • ボディをマグネシウム合金に変更
  • 大きさや重さがやや増加
  • USB Type-C コネクタ
  • 価格が 126,900円(税込)

 

個人的には CMOS イメージセンサーが変更されたため、保存される画像サイズが 1.25倍の 6720 x 3360 px の 7K と大きくなり、 レンズの進化でゴースト、フレア、パープルフリンジが抑制される点がうれしい。

また、静止画の場合 V は ISO が 3200 が上限だったが 6400 まであげられるようになったため、夜間や薄暗い場所での撮影が綺麗になると予想される。

いしたにさんのツイートで紹介されているが画質はかなり向上した感じ。

 

実際触っていないのでなんとも言えないが、F値の変更で面白そうな画が撮れそうだし、手ぶれ補正がどのぐらい強化されているかも期待している。

 

ウィークポイント

価格が 126,900円(税込)となっており、プロ向けのラインナップとなった。
ただ、競合である Insta360 のプロ向けと比べると、かなり低価格かつ簡単に扱えるため魅力的な商品だとは思う。

バッテリーとストレージは内蔵である。
バッテリーに関しては、正直取り換える手間や事前にバッテリーをもう一つ充電させずとも、
モバイルバッテリーで十分代用できが、 ストレージが V と同様に 19GByte までしか使えない。

画像サイズが大きくなったり、RAW が保存できるため以前より容量を逼迫するだろうと予想される。

動画に関しては 4K 最大5分、2K 最大25分と変化はないため V と変わらないだろう。

 

競合他社 Insta360 との違い

Insta360 は早い段階でコピー品として世に出し利便性やスペックも高く、Apple Store でも製品が販売されている台湾のメーカー。

 

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Insta360 ONE X

現行の最新製品で THETA V の同価格帯ある Insta360 ONE X は THETA V のスペックを若干上回り、動画撮影時の手振れが完全になくなるぐらいに補正される。
あと、バッテリー脱着ができ、データ保存は micro SD カードにできる。

 

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Insta360 PRO 2

プロ向けの Insta360 Pro 2。
6 個の魚眼レンズを持ち、2ずつカメラを使うことで視差を利用した 3D の 360 度の写真や映像をつくることができる。

6 個の魚眼レンズを搭載しているということで想像はできると思われるが、スイカぐらいの大きさがあり、1.5Kg ぐらいある。

静止画・動画共に 3D で 7680 × 7680 (動画 30fps)、2D で 7680 × 3840 (動画 60fps)。

静止画は10枚連続で撮ることによって最大 12K となるらしい。

価格が60万を超える点と 1 枚の SD カードと 6 枚の micro SD カードを使用するため、転送に時間がかかる部分はプロ向けなので致し方ない。

 

購入を検討するには?

自分が Insta360 ではなく THETA を選んだ理由は静止画での綺麗さ。
また、2つの魚眼レンズから合成し仕上げる際の処理も甘い感じはある。
(かなり前に触ったので今は違うかも?)

THETA V の手ブレ補正はあまり期待できないので動画を撮る場合はジンバル必須。

Insta360 Pro 2 については価格と大きさや重さが個人で扱う感じではないので THETA Z1 は良い選択肢だとは思われる。
静止画の場合 Insta360 Pro 2 は 8K で、THETA Z1 は 7K であるためそれなりの解像度かつ片手で持てる。

 

まとめてみるとこんな感じ

  • 360 度動画中心で5万円内なら Insta360 ONE X
  • バッテリー脱着や micro SD 保存が必要なら Insta360 ONE X
  • 360 度静止画なら THETA S/SC (ストレージ 8GB) 、THETA V (ストレージ 19GB)
  • プロ向けで静止画を手軽に扱いたいなら THETA Z1
  • プロ向けで動画を綺麗に撮りたいなら Insta360 Pro 2

 

Insta360 Pro 2 はお高いので、レンタルして試しに触ってみてからの購入でも良いかも。

 

まとめ

THETA Z1 は V から大幅な進化を遂げ、Insta360 Pro 2 の 20 %以下の価格に抑えた点はかなり評価できる。
以前の THETA アクセサリがかなり使えなくなってしまったが。

 

 

2019/3/4 追記: CP+ 2019 で RICOH さんの説明とデモ機を触った感想

画質

静止画の360度カメラで最高の画質を目指したとのことで写真の綺麗さは値段分は強化されていると感じ、
第3世代の iPad Pro 12.9 inch で作例の紹介がされており、かなり拡大しても綺麗だった。

パープルフリンジもかなり提言されており好感触。
下の写真は iPhone XS でサクッと撮ったものなのでわかりづらいが Z1 の方がフリンジが改善されている。

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THETA Z1 / THETA V

 

本体

本体の大きさと重さは変わったが個人的にはあまり気にならない。
厚みが増えたのでそこが気になる人が居るかも。
発売日に量販店で実機が展示されると思うので触ってから買っても良いかも。

 

動画

ハードウェア的に動画の機能はアップデートされていないので、動画機能を重点に置くなら THETA V でも変わらないとのこと。

ただ、センサーとレンズが性能強化されたので絵は綺麗になるかもとのこと。

(諸事情があるのだと思うが、説明されていた方は動画のサンプルが見ることができていないらしく断言されていなかった)

 

新しい手ブレ処理は THETA V の方でもアップデートで対応予定とのことなので、
センサーとレンズで画が変わるか否かと言うところ。