Apple Engine

Apple, iPhone, iOS, その周辺のことについて

iOS 12 において注目すべき UI はショートカットアプリである

WWDC 2018 のセッションでは Fluid Interface の名の下に、 思考の延長のように感じ、そして振る舞うような UI をユーザーの体験を大きく改善すると尊い教えをいただいた。

UI / UX の大半はインタラクションとか見た目にとらわれがちだが、
そんなものは UI 設計の後の話であり、
本来は情報の整理しどうすれば利便性がよくなるかを先に考えるべきである。

 

ショートカットアプリに関しては下部に存在する半分なモーダルに注目されるが、
その真価はタスクが実行されていく部分の UI にある。

 

本来はショートカットアプリのようなタスクを実装するアプリはノードベースになるのが望ましい。

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Unreal Engine のノード UI である Blue Print

 

しかし、このアプリは上から下に命令が流れるリスト(テーブルビュー)のような UI をしている。

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ショートカットアプリの画面

 

なぜ、このような形をとっているのかは想像しやすく、単にスマートフォンのサイズでノードベースの UI だと操作しづらいからである。

 

単に上から下にタスクが流れるだけであれば、若干分かりづらくなるのは繰り返しや分岐ぐらいで、
難しくなく理解できるだろう。

 

だがタスクを遂行するにあたって、事前、または別で処理をしたものを最終的に取得するものが必要になる。
その際にノードベースであれば処理を最後につなげればできるが、リストのように上から下に流れるものでは処理できない。

 

そのために考えられたのは マジック変数 である。

 

ショートカットアプリ自体、通常のプログラムのように変数、テキストなどの入力の値の設定や取得できるのだが、
それとは別にマジック変数がというものが用意されており、タスクが流れの途中の値を取得することができる。

 

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マジック変数を使う
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マジック変数を選択

 

右の写真の命令の間にある青い角丸矩形が取得できる変数となっており、
流れの間で値が取得できる構造となることで、ノードをつなげる事をせずにリストで再現することを可能にしたのである。

素晴らしい。

 

P.S.

マジック変数を束ねすぎると流れが分かりづらくはなってしまうのが難点。

結局のところノードで扱っても表示領域の問題で同様になるため、50歩100歩といった感じではあるが。