iPhone と Occipital Bridge
そう言ってみれば Bridge を手に入れたので感想を書いてみる。
Occipital Bridge とは?
Bridge - Mixed Reality and Positional Tracking VR Headset for iPhone and iOS
現実と仮想空間を合成するヘッドマウントディスプレイ(HMD)で AR とか MR とか呼ばれているもの。
他の商品として Microsoft HoloLens があり、
違いはいくつかあるが、 大きな違いは視界がシースルーではなく iSight カメラと専用のセンサーで外界と合成するところ。
また Oculus Rift や HTC Vive と同じように凸レンズの二眼なもなので、Bridge の HMD には iSight カメラに湾曲したカメラを付ける。
アプリのコントロールができないため、開発版では Blutooth で操作するボタンが付属する。
そんでもって感想
Hololens と共に開発版ではあるが、残念ながら現時点では不完全な部分が多い。
キャリブレーション
元々 Structure Sensor という iPad につなげるセンサーで iPhone とそのカメラに流用したものである。
Structure Sensor は Kinect や HoloLens 同様に赤外線を飛ばし赤外線カメラで跳ね返る時間を元に物体を認識している。
iPad のカメラとそのセンサーをぴったり合わせるため、センサーのキャリブレーションが必要となる。
こちらは HoloLens のように単一の商品ではないため、センサーと凸レンズをかぶせた iSight カメラで2回キャリブレーションをする必要性がある。
ちなみに、センサーのキャリブレーションが認識しづらくて設定にかなり時間かかった。 夜やったが、陽が当たっていないとかなり難しいらしい。
結構厳しいところだが、
iSight カメラと Bridge のレンズが密着しており、
キャリブレーション時にそれを外すのだが、その際に iSight カメラの内側カバーの塗装が剥がれた。
空間認識
残念ながら HoloLens と異なり、リアルタイムではない。
なので、あらかじめスキャンしておかなければいけないし、スキャンできる空間にも限度がある。
ただ、HoloLens が空間を三角分割してポリゴン化しているのに対して、
Bridge はそれなりにポリゴン化する。
レイテンシー(遅延)
動作に対してはカメラと3Dとを合成するため処理的に辛い部分がある。 レイテンシーでの酔いだが、ギリギリ酔わない程度。
画面
iPhone 6, 6s, 7 のサイズを右目、左目用で正方形半分ずつなので狭い。 個人的には Plus サイズの方が良かったのではと思うが HMD が重くなるので致し方なし。
1334x750 の画面サイズだが半分にすると 667x750。 凸レンズにフィットするため、画面の映像は中央から膨らむ形となっていて、ディスプレイより画像は小さくなる。 そのため、視界が狭い感じは否めない。
アプリ
開発版なのでこちらしかない。
キャラクタに視線を合わせボタンを押すとメニューが表示され各種機能を使うことができる。
骨のアイコンをクリックし空間にアイテムを投げると、キャラが投げたものを拾い自分のところまで戻ってくる。
3D 空間においてアバターという存在は大きく、 AR / MR の UI の操作として新しい知見を得た。
アプリ開発
HoloLens や他のデバイスと同じように Unity の使用できるがほとんどの機能が使えない。 代わりにネイティブの機能である SceneKit を使う必要がある。
HoloLens にあるもの
眉間の部分にセンサーがついており、手の動きによるジェスチャー操作が可能である。
エアタップと呼ばれる指をつまむ動作で物体を掴むことができ、ブルームという手を開く動作からメニューを開くことができる。
また、耳の付近に赤いパーツがあり、アレイスピーカーがあり3次元音響を実現する。 耳を塞がないため現実空間とミックスされる形となっている。
まとめ
HoloLens とは価格帯も違うので正直クオリティについていうのもなんだが、センサーを使用すればスマートフォンでも HoloLens のようなものが実現できるというのがわかる。
また、もし iPhone 7 Plus の iSight Duo による空間認識ができるようになれば、センサーは要らないだろう。
噂だが Apple 自体が AR メガネを開発しているとのことなので今後期待できるかもしれない。