iPhone と Reality Composer で始める簡単 AR その27 - AR で VR 編
SceneKit の ARKit でやった様に背景をカメラ画像から静止画にして VR チックなものを作成してみる。
Reality Composer ではカメラ画像を変更することはできないので、球のマテリアルに 360 度写真を貼り付けて表面の法線を反転することで背景画像を作ってみることにする。
試してみる
背景オブジェクトの作成
Reality Composer や SceneKit の Scene Editor では法線の反転ができないため、3DCG DCC ツールを使うことになる。
例えば Blender では、球のジオメトリを作成し、スムースシェーディングを行い表示を滑らかにし、法線を反転させ、マテリアルとテクスチャの設定をしていく。
現状、Blender で USDZ に変換できないので、obj や USD などで書き出し Xcode の Scene Editor で Export から USDZ にするか、Reality Converter を使用するのが簡単そう。
今回はオブジェクト作成の詳しい説明はしなかったが、サンプルファイルのテクスチャを変えて USDZ を作成すれば自前の 360 度画像の背景が作成できると思う。
Reality Composer に配置して、AR を試す。
新規作成からプロジェクトを作成。
背景のジオメトリを読み込み、位置と大きさを調整するだけ。
とりあえず、サンプルではキャラクタにビヘイビアを設定しており、タップすると前に進む。
AR でビヘイビア再生時、球のジオメトリの影が床に落ち暗くなってしまうのが残念ではあるが、そこを妥協すればさくっと端末のカメラを使用しない形で背景を設定することができる。
サンプルファイル
下記のリンクに行き、右側の緑のボタン「Clone or download」からリポジトリをクローンするか zip をダウンロード。
VR フォルダが今回のサンプル。
iPhone や iPadOS に Reality Composer がインストールされていれば、ダウンロードした zip を展開し rcproject を開いて中身を見ることができる。
まとめ
ざっくり VR 的なものができた。
一応 RealiyKit の方ではカメラ画像を使用しない機能があるのでちゃんと作成したい場合はそちらを使用すると良いかと。
ただ、カメラを使用しない場合で RealityKit で rcproject ファイルを使用する場合は色々やらないといけないことがあるので注意。
また、平面系ではなくフェイストラッキングのアンカーなど他のアンカーでも試すと面白いかもしれない。