Apple Engine

Apple, iPhone, iOS, その周辺のことについて

ARKit に対して既存の VR / MR コンテンツはどう勝負するのだろうか?

ギークではない一般ユーザーが仮想空間の体験をする初めての接点が iOS と ARKit によるものとなる可能性が高い。

  • Virtual Reality (VR)
  • Mixed Reality (MR)
  • Augmented Reality (AR)

これらの総称を X Reality (XR) というらしく、この体験をする人の増加は iOS でということとなり、 XR の幕開けとなる。

日本ではスマートフォンの約半分が iPhone で次期機種の販売を考えると、
かなりの層が ARKit の全機能を体験できる状態となり、多分、その数十パーセントの人が体験するだけで現状の XR 体験者の人口を超えるだろう。

ARKit の利点としては VR / MR 機器とは違いヘッドマウントディスプレイを被らなくても良いところである。
個人的には HMD が一番煩わしく、手元でできることで VR の没入感を犠牲にしても良いと思っている。

手元に画面があるため、専用のコントローラーを使用せずに画面を操作できる。
正直、3次元空間でものを操作するのは厳しさがあるのでゲームのように画面 UI が張り付いているのでよのではと思っている。

もし必要であれば、Gamevice のコントローラーを使ってもよいだろうし。

f:id:x67x6fx74x6f:20170630172359j:plain f:id:x67x6fx74x6f:20170630172408j:plain

 

公開されてしまっている ARKit のサンプル

仮想空間に置くオブジェクトのつくり込みがちゃんとしていると置くだけでもコンテンツとして楽しめる。

www.youtube.com

 

またこれらのように実用的なものあるようだ

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ゲームや教育などにも使えるだろう

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ARKit のニュース記事であまり書かれていないことだが、 現状、できることが少ないため開発がわりと簡単ではある。
また、Microsoft HoloLens 同様に世界全体を描画しなくても良いので、作成する 3DCG が圧倒的に少なくて済む。

このことにより、クオリティの注力を現実空間に配置するオブジェクトだけで良くなる。

逆にいうと、 VR は ARKit でのクオリティや体験を上回らないとその価値を見出せないのではないかと予想している。

 

では、現状での個々の感想をざっくりまとめてみる

 

Mixed Reality (MR)

www.youtube.com

Microsoft HoloLens の登場により、Mixed Reality は スマートフォンの次の世界を切り開いたと思うのだが、 普及するにはもう少し先の話になるだろうと思っている。

現状、問題点が2点ある。

  • 現状の Microsoft HoloLens は視野角が狭い
  • バッテリーの持ち時間
  • センサー類の多さと単体で動くため、本体のコストが下げづらい

視野角の狭さ、バッテリーに関しては技術の発展で解決できそうではあるが、 コストに関しては、一般ユーザーが満足できるものにする場合、 安くしても20万くらいするだろうし、15万切るのは難しいのではないかと思っている。

ハイエンドのスマートフォンに Kinect のセンサーとジェスチャー用のセンサーを載せているので、 単純に考えてもスマートフォンより1.5倍ぐらいになってしまうのは仕方ないかと。

 

Virtual Reality (VR)

強力なマシンに有線でヘッドマウントディスプレイ (HMD) をつなげているため、 現状、最高の映像の体験を与えてくれる。 VR HMD のメーカーでは専用のコントローラーを提供しているとこともあり、 VR の空間でものに触れたり影響を与えたりできる。

こちらも問題点をあげてみる

  • ゲーミング PC と HMD を含めると20万を軽く超える
  • 単体で動かすことができない
  • HoloLens にも言えることだが HMD をかぶるのが煩わしい

他にない利点として HMD で視界を覆うため、没入感がありその世界に入り込んだ様な感覚をもたらす。

 

ARKit

対応の iPhone があれば外部端末など特別な機械を必要とせずに Microsofot HoloLens の簡易版の様なことができるし、HMD などを被らなくても済む。
動画を見てもらうとわかるが、現実世界映すカメラからの映像と配置した仮想オブジェクトの追従が良くできており、仮想空間にものを置くだけでも面白さはある。

こちらも問題点をあげてみる

  • 机や床など主に物体を判定するのは平面
  • カメラ画像とジャイロ、加速度センサで空間を認識しているため、認識を失敗することがある
  • 深度情報を持たないので障害物を判定できない(HoloLens の場合障害物の奥に CG があるとそれは表示されない)
  • 本体のセンサーを使いまくるので本体が熱くなる
  • バッテリーが持たない

実は問題点がかなりあり、これらは手軽さとのトレードオフだと思っている、

 

まとめ

ARKit に関しては現状で最良の解を出してきた感はある。

そして、VR,MR,AR などの XR の体験は ARKit で出るコンテンツが最低限を基準となるだろう。